【N.S.ハルシャ展レポート】思想を反映した作品はすごく魅力的だ
2017/02/16
森美術館で2017年2月4日(土)~6月11日(日)のあいだ開催されている「N・S・ハルシャ展:チャーミングな旅」に行ってきました。
ふたたび生まれ、ふたたび死ぬ
N・S・ハルシャはインドのマイソールを拠点に活動する、1969年生まれの現代アーティストです。サンパウロ・ビエンナーレやアデレード・フェスティバルなど国際展にも数多く参加しています。
私たちは来て、私たちは食べ、そして私たちは眠る
ここに演説しに来て
N・S・ハルシャの作品には反復をテーマにした作品が多いです。
たとえば、「ここに演説しに来て」という作品の中には2000人もの人が描かれています。しかも、ひとりとして同じ人はいません。全員、違う人なんです。
、、、中には人ではないものも交じっています。
ユーモアがあって、一日観ていても飽きません。
ここに演説をしに来て
私たちは来て、私たちは食べ、私たちは眠る
印象に残る作品とは
同じ六本木ヒルズ内で開催されているマリーアントワネット展を見てから行ったのですが、N・S・ハルシャ展の方がより印象に残っています。
N・S・ハルシャ展には人混みがなく、ゆっくり鑑賞する事が出来たという理由も大きくあるでしょう。しかし、一番大きいのは作者が頼まれて描いているのか、それとも自分の意思で書いているのかだと思いました。
頼まれて書く場合には、どうしても依頼者の好みに沿った作品になってしまいます。権力者の自画像なんかはその代表的な例でしょう。絵のタッチなどで違いはあるかと思いますが、だいたい似たりよったりになっています。
対して、N・S・ハルシャはグローバル化する社会や未来ある子ども達に関する作品を制作しています。
全体で見れば食べるという同じ行動をしているんだけど、一人ひとり姿は違う。スーツ姿のビジネスマンに挟まれて、田んぼを耕す人がいる。果たして未来の子ども達を豊かにするのは、どちらの大人なんだろう。
そういう、作者が見ている世界をさっと見せられて、考えさせられるような作品はすごく印象に残りますね。
終わりに
僕とりかすが行ったのは2月11日(土)の15時ごろだったのですが、同じ森ビル内で開催されているマリーアントワネット展は長蛇の列が出来ているのに対しN・S・ハルシャ展はゆっくり絵を鑑賞出来るくらい人が少なかったです。
作品一つひとつに引き込まれてしまう魅力があるのと、展示されている部屋の雰囲気が素敵なので人が少ない朝早い時間に足を運ぶのが良いかと!