日本伝統のワックス、木蝋について調べてみた

 

こんばんは!けんとしです。

 

突然ですが、みなさんは木蝋をご存じでしょうか?

僕はオイルドクロス(油を染み込ませて防水性を高めた布)を自分で作ってみたくて、様々なワックスや油を購入していたところ木蝋の存在を知ったのですが、生産量が年々減ってきているみたい。

 

 

少し調べると、木蝋は江戸時代から続く日本ならではのワックスという事がわかった。

 

安い大量生産品に押されて日本の伝統的なものづくりが無くなってしまうのは悲しい…。

 

ので、もう少し突っ込んで調べてみました!

今回は木蝋について書きます。

 

 

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木蝋の原材料は?どうやって使われているの?

 

 

木蝋とは、櫨の木(ハゼの木)の実を砕いて作られる蝋の事で、別名Japan Waxとも言う。

この別名は西洋では蜜蝋を使用していたのに対し、日本では主にワックスが必要な時にはこの木蝋を使っていたためつけられた。

 

 

絞ってそのまま固めたものを木蝋と言い、干して漂白したものを白蝋と呼ぶ。

(ちなみに、トップの画像は木蝋です)

 

 

その歴史は江戸時代まで遡り、櫨の木が育ちやすい九州や四国の愛媛県で暮らす農家の重要な資金源として作られていたようだ。

愛媛県の内子町には木蝋生産で財をなした本芳我家の分家、上芳我家の住宅を使った資料館がある。

 

 

用途は様々あるが主にろうそくや力士の髷(マゲ)を結う時に使用されている。

 

ろうそくはわかるけれども髷に使われていたとは驚き。

まさかこのめちゃくちゃ固いワックスを整髪料に使うとは…!!

ふとオーガニック雑貨屋に蜜蝋が使われた整髪料が置いてあった事を思い出した。

 

江戸時代に相撲は現在の形になったので、同じ江戸時代に製造された木蝋を使うのは確かにおかしい事ではないね。

 

なぜ木蝋の生産が減ってきているのか

 

 

まずは日本特用林産振興会が木蝋に関する調査をまとめた資料を見てほしい。

平成16年にまとめられたものなのでデータが古いが、今もそんなに変わっている訳ではないだろう。

・櫨の実の生産量(出典:日本特用林産振興会)

 

 

このデータからは昭和40年の総生産量は約1100トン、平成15年は約100トンと39年間で10%以下の生産量まで落ち込んでいる事がわかる。

 

昭和34年から昭和40年までの間に生産量が半減した事も気になるところだ。

 

 

理由としては、明治時代に石油を使用したパラフィンワックスなど安価な蝋が流通する事になった事があげられる。

 

戦後日本でパラフィンワックスが製造され始めたのは昭和25年(出典:日本精蝋株式会社HP)のため、木蝋にとって代わるのに10年程度要したのかもしれない。

 

 

そして櫨の実の収穫は神経を使うという事も理由のひとつだろう。

櫨はウルシ科の植物であり、さわるとかぶれる人もいる。

また、実は高所での作業になるため危険が伴う

 

 

以上の理由により櫨の木を栽培していた農家は利益が上がらなくなり、危険が少ない他の農作物の栽培に移っていった。

 

 

櫨の実の生産量が低くなっている事が、木蝋の生産が減っている事の原因ではないだろうか。

 

まとめ

 

 

木蝋の用途と生産量が減っている理由について書いてきたが、櫨の実の収穫量減にともない生産する工場も少なくなっている。

 

 

ネットの情報のため真偽は定かではないが現在3社しか木蝋を製造する企業は無く、かつ昔ながらの製法である玉締め圧搾機で作っているのは長崎にある本田木蝋工業所1社しかないようだ。

 

 

いつかこの木蝋は無くなってしまうのだろうか…。

 

うーん、僕にはこうやって調べた事を文章にする事しか出来ないのが悔しい。

実際に現場で働いている人に話を聞きに行きたいし、出来るなら工場見学に行ってみたい。

 

 

あとは買って応援するしかないな。

木工にチャレンジする時やキャンドルを作る時には木蝋を使用してみよう。

 

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