家庭用ミシンメーカー4社の特徴や歴史のまとめ

 

ミシンってなにを買えばいいのかわかりにくい!

 

数カ月まえから、ミシンがほしいと思っていろいろ調べています。

 

WANDERLUST EQUIPMENTのX-PACを使用した財布

 

用途的には、ただ直線が力強く縫えればいいんです。X-PAC(軽量な防水素材。ウルトラライトなアウトドアザックによく使用されている)で本をいれるケースをつくったり、カーテンを縫おうと思っています。あれ、そもそもカーテンって直線縫いのみでいけますかね?いけますよね。(不安)

 

最近引っ越したこともあり、お気に入りの生地でカーテンを作りたいのです。なのでミシンがほしいんです。ほしいんですが、、、

 

何を買えばいいのかがわからぬ。

そして、メーカーごとの特徴がわからぬ。

カタログを見る限り、どこのメーカーも似たような製品を出しているように見えます。

 

そこで、ミシンに関する本やHPを見て僕なりに家庭用ミシンを製造しているメーカー4社(シンガー、ジャノメ、ブラザー、JUKI)の特徴をまとめました。ユザワヤのミシンに詳しい店員さんに聞いた方が正確で早かったなんて言わないでください。

 

せっかくなので、ユニオンスペシャルの歴史についても調べました。

 

【シンガー】

アイザック・メリット・シンガーにより創業。1851年に世界で初めて実用ミシンを世の中に送り出した。

各家庭へ戸別訪問を行い販売する手法で1880年代に販売台数を急激に伸ばす。当時は年間売り上げ80万台と世界全体での供給台数の4分の3を占めていた。

 

日本では1900年代に販売を開始。シンガー製ミシンがあまりにも売れていたため、当時創業間もないブラザー工業や蛇の目ミシン工業はデザインをそっくりコピーしたミシンを売り出した。それくらい日本の縫製業界にもたらした影響は大きい。

 

有名な赤いロゴマークのSは創業者の名前からとったもの。1870年代から使用されており世界各国でSINGERのロゴマークを見つけることは難しくない。

 

工業用ミシンからは2000年に撤退しており、現在は株式会社ハッピージャパンがTHE SINGER COMPANYとライセンス契約し家庭用ならびに職業用ミシンの販売を行っている。真っ黒い鋳鉄のボディーに金文字で「SINGER」と入る「188シリーズ」はどっしりとした重厚感があり、威厳すら感じられる。

 

【ブラザー工業】

プリンターやFAXで有名だが実はミシンから始まったメーカー。1908年、安井兼吉がミシンの修理業を開業。足がかりとして麦わら帽子製造用環縫ミシンの製造を手がけ、1932年に家庭用ミシンを誕生させた。

 

安井兼吉の息子である兄の正義と弟の実一はミシンを作る機械も自分たちの手で開発。この自前精神は後々の製品開発にも活かされ、ブラザー工業は工作機器の製造も手掛けている。安井正義は1950年アメリカのミシン市場を視察し、事業の多角化を決意する。ミシンに加え、培ったモーター技術などをもとに洗濯機や掃除機、扇風機などを開発。

 

家庭用ミシンでは高級機種から低価格機種まで幅広くラインナップをそろえており、2017年時点でグローバルシェアNo.1。

 

フラグシップモデルは「Innovis VF1」。センサーでタッチするだけで刺繍模様を入れられる機能を搭載し、タッチパネルで刺繍を組み合わせてオリジナルの模様を作成できる。最先端の部品と技術を活かしたコンピュータマシンに強みがある。

 

 

【JUKI】

大量生産用で使用される、用途を限りパワーを強くした工業用ミシンで圧倒的な存在感を放つトップメーカー。グローバルシェアは約3割にのぼり、世界180の国で販売されている。

 

ただ、紹介する5社のうち設立はもっとも遅く、1938年に東京都の機械業者約900名が出資し「東京重機製造工業組合」として発足したのが始まり。1943年に「東京重機工業株式会社」と改称した後、1988年に「JUKI株式会社」に社名変更。

 

洋服や下着などアパレル製品の他、鞄、靴、車のシート、ソファーなどの生産に使用する工業ミシンの技術を保有しているため、家庭用ミシンの中では厚手の生地を縫いやすい機能が多く備わっている。

 

例えば、フラグシップモデルの「HZL-EX7」では工業用ミシン技術のBOX送りを採用しており、デニムを重ねた厚手の生地でも目詰まりなく送ることができる。

 

JUKIの職業用ミシン(美しい縫い目にこだわった直線専用のミシン)「SL-300EX」は価格が低めながら工業ミシンのようなパワーも兼ね備えており、ポーチ縫ったりデニムを裾上げするなどの用途でミシンを使用する刺繍を必要としない人からの支持を集めている。

 

 

【蛇の目ミシン工業】

1921年、東京滝野川に、小瀬與作が パイン裁縫機械製作所を創設。上糸と下糸で直線縫いを行う小型手廻し式ミシンが最初に製造したミシンとなる。1929年、国産最初の家庭用標準型ミシン「パイン100種30型」を発売。1949年に商号を蛇の目ミシン株式会社に変更。

 

日本初のコンピュータミシンを開発し、世に出したメーカー。ダイヤルやレバーで調節してきた針と送り歯の動きをコンピュータで制御できるよう開発。これにより刺繍や文字縫いの作業効率が格段にあがった。

 

2001年には世界で初めて糸通しを自動にしたモデル「スーパーセシオ」を発売するなど、エレクトロニクス技術を活かした高性能ミシンが評判となる。

 

機能だけではなく、自社でダイカスト(金型鋳造方法の一種で、高精度の鋳物を量産できる)工場を保有しており、部品品質の高さは折り紙つき。家庭で使いやすい機能がそろっており、かつ筐体(ミシンのボディ)の品質も高いバランスのよい機種が多い。

 

 

おまけ【ユニオン・スペシャル】

ビンテージジーンズ好きならばおそらく一度は耳にしたことがあるだろう。ユニオンスペシャルはアメリカに本社を置く工業用ミシン専業のメーカー。Jasper W. Coreyが1880年にカバンを縫製するミシンを制作したところからスタートした。

 

戦後、アメリカのワークウェアには同社の環縫(チェーンステッチのこと。表は直線で裏がループの縫い目になっている。伸縮性があり、ニットの縫製によく使われる)ミシンがよく使用されており、ユニオン・スペシャル抜きにワークウェアを語ることは難しい。

 

中でもジーンズの裾を縫う際に使用されていた「union special 43200G」というミシンは針が斜めに入る仕様になっており、波打つようなうねうねしたアタリを生み出すため現在でもビンテージジーンズ愛好家の間ではこのミシンで裾上げされたジーンズを好む人も多い。

 

しかし、現在では人の手を使わずに自動で縫う工業用ミシンのみ製造を続けているため、残念ながら「union special 43200G」はもう生産されておらず新品を購入することはできない。

 

終わりに

 

僕の用途ならば、工業用ミシンの技術ノウハウがたくさん蓄積されているJUKIがよさそう。

 

ただ、IoTが進むなかで、ミシンもそろそろ次のステップに進むような気がする。

たとえばAmazon Alexa(Amazonが開発した音声認識機能。2017年1月に米国ラスベガスで開催されたCES 2017では数多くのデバイスがAlexaを搭載しており、音声検索時代の到来を感じさせた)がミシンに搭載されたら、複雑な操作も必要なくなってより使いやすくなりそう。ミシンに音声認識を搭載するならば、課題はレスポンスのはやさだろうか?縫いすぎてしまうこともありそうだ。

 

Alexaを搭載したFord車でできること

 

メンテナンスが簡単にできて、説明書を読まなくても直感で操作できるミシンを開発しているベンチャーなんかがあったらすごく応援したい。いま、ミシン業界に風穴をあけるチャンスだと思う。

 

 - つくる